Saturday, January 31, 2009

Cherri Wood





Cherri Wood (チェリイ・ウッド、チェリ・ウッド)
ウィスコンシン州 (Wisconsin) ミルウォーキー (Milwaukee) 在住の画家。

孤独な少女のサイコな攻撃性は、コロンビアの画家 María Isabel Arango (マリア・イザベル・アランゴ) を思い出させる。María Isabel Arango には妙な明るさがあったけど、この Cherri Wood はちょっと暗い。
"meme, lucy and butcher knife"、"one / two"、"was pure"、"white strollers" の4点をポスト。

Flickr: cherri wood's Photostream
MySpace
cherri wood


今ブログを更新している人の多くが触れていることと思うが、オイラも記念に触れておくと、今現在Googleで検索をすると、すべてのサイトが

このサイトはコンピュータに損害を与える可能性があります。

と、攻撃サイト指定を受ける。不便だが、ちょっと面白い。

Rebecca Artemisa Urias





Rebecca Artemisa Urias (レベッカ・アルテミジア・ウリアス)
多分アメリカ在住のアーティスト。
本を読むのが大好きな空想癖のある女の子がそのまま大人になって描いた世界。寒色が多用された、決して明るい色使いとはいえなし、人とお化けが一緒に暮らしているヘンテコな世界観ではあるのだけど、 Rebecca Artemisa Urias の描く作品はなんだか楽しい。

ポストしたのは "dramatic december escape plan"、"why lies she in such mean estate"、"when we pay attention"、"for buffy" の4点。

Flickr: a big hello's Photostream
Rebecca Artemisa Urias - "Dramatic December Escape Plan"

d'Holbachie-Yoko


d'Holbachie-Yoko (ドルバッキーヨウコ)
1971年横浜生まれ。1994年多摩美術大学 グラフィックデザイン専攻卒業 。 1998年コナミ株式会社退社後フリー。
カラフルでユーモラス、そしてグロテスクな異世界をポップに描いている。

なんというジャンクフード的な色彩!
食べるな、危険という信号を発しているアメリカのお菓子のようだ。

ポストしたのは "Snail and FLASK" という作品。

◎◎◎◎◎d'Holbachie-Yoko d'Holbachie`s cosmos◎◎◎◎◎

Allison Sommers




Allison Sommers (アリソン・ソマーズ)
バージニア州中央部に位置する都市シャーロッツビル (Charlottesville、シャーロッツヴィル) 在住のビジュアルアーティスト。

Allison Sommers はパックリと開いたお腹を描くのがお気に入りのようで、1枚目と2枚目のような作品をいくつか描いている。こういった作品を見ると、ユーモアとグロテスクってものは底で繋がっているものなのだなあと改めて思う。


allison sommers art.
Flickr: Allison Sommers' Photostream

Nanami Cowdroy


Nanami Cowdroy (ナナミ・)
オーストラリア (Australia) のシドニー (Sydney) 生まれのイラストレーター。
生まれ育ったオーストラリアの環境と自身のルーツのひとつである日本の文化が作品を制作する上で大きく影響しており、作品から感じられるエキゾチズムはそういったことと無関係ではない、ということらしい。

名前の Nanami を漢字で書くと 「七海」 となるらしい。

Nanami Cowdroy Art

Kendra Binney


Kendra Binney (ケンドラ・ビニー)
オレゴン州 (Oregon) ポートランド (Portland) 在住の画家。

Kendra Binney について紹介したテキストの中に、彼女は窓のない小さなスタジオで日がな一日、空想にふけって絵を描いて過ごします、という一文があるのだけど、まあ、確かにさもありなんといった孤独癖の感じられる作品群だと思う。大きく描かれる目は、かわいさよりも淋しさを強調するためにそうされているかのようだ。
特徴的な垂れるようなペインティングから雨音が聞こえてくる。

kendra binney
Etsy :: kendrabinney :: Artwork by Kendra Binney

Mari Inukai Exhibition Information - Some Kind of Wonderful - @ Gallery 1988





名古屋 (Nagoya) 出身で、現在はロサンゼルス (Los Angeles County) を拠点に活動しているアーティストのマリ・イヌカイから、2009年2月6日から2009年2月28日にかけて、サンフランシスコの Gallery 1988 で "Some Kind of Wonderful" というグループ展が開催されるとの連絡が届いたので、続けて紹介しておこう。
ちなみに、Mari Inukai は新作を8点出品するとのこと。


Some Kind of Wonderful

6 Feb to 28 Feb 2009

Artists:
Allison Sommers
Cherri Wood
d'Holbachie-Yoko
Kendra Binney
Mari Inukai
Nanami Cowdroy
Rachel J. Wong
Rebecca Artemisa Urias
Sarah Joncas


Gallery 1988 (G88) San Francisco

1173 Sutter Street
San Francisco, CA 94109
p: (415) 409-1376
e: Gallery1988sf@gmail.com
http://www.nineteeneightyeight.com/entrySF/homeSF.html



index

Wednesday, January 28, 2009

Hugues Gillet





Hugues Gillet (ユーグ・ジレ)
1968年フランス生まれ。1992年から画家として活動している。
グロテスク且つユーモラスなクリーチャーが跋扈する幻想的な作品を描いている。
この Hugues Gillet も Christian Lepere と同じく、"L'Art fantastique, visionnaire et symboliste" というグループ展に参加するアーティストの一人。

国際幻想芸術協会 (IFAA) の代表を務めている画家の田中章滋が自身のブログL'art fantastique/幻想芸術で紹介をしているので、この奇妙な作品を描く画家をご存知の方もいらっしゃるだろう。ここで初めてご覧になった方は、こちらで田中章滋が Hugues Gillet (ユーグ・ジレ) との出会いについて語っているから覘いてみるといいだろう。

ポストした作品のタイトルは、上から "La Nymphe et le Centaure"、"Paysage"、"La Plume d'Eros"、"L'Envol"。
もっと奇妙で面白い作品が色々あるのだけど、「女」 という部分にこだわると、どうしてもそういった作品を選ぶことが出来ないので、もっと面白い作品を見てみたいという方は、下記のリンクを辿って頂ければと思う。

Hugues Gillet, Art fantastique, Peintures fantastiques.
MySpace
Gillet
Hugues Gillet - beinArt Surreal Art Collective
Hugues Gillet of The Society for Art of Imagination
Keith Wigdor presents Surrealism Now!

Christian Lepere



Christian Lepere (クリスチャン・ルペール)
1942年パリ (Paris) 生まれで、現在はイル=ド=フランス地域圏 (Île-de-France) に属したイヴリーヌ県 (Yvelines) にあるパリの中心部から西にある郊外の街ル・シェネ (Le Chesnay) 在住の画家。
少々エロティックではあるが、温かみのあるファンタスティックな作風。

Andy Julia の参加するグループ展 "L'Art fantastique, visionnaire et symboliste" に作品を出品するひとり。

ポストしたのは、"Au gré des Vents"、"Le Grand bleu et le gros rouge" の2点

Christian Lepère artiste peintre - Achat de tableaux
lepere.html
France Art, French Art, Fine Arts, Christian Lepere, Art fantastique, Peintures fantastiques, pour vos Collections, votre Decoration, votre Plaisir...
Lepere

Andy Julia 02






Andy Julia (アンディ・ジュリア)
南仏出身で、現在はパリを拠点に活動している、フェティッシュ感覚ある少しエロティックで耽美寄りの写真を撮るフォトグラファ。

耽美系のイメージって、度が過ぎると胃にもたれてくるものだけど、Andy Julia の作り上げるイメージはいい塩梅で、見ていてしっくりくるから好きだ。

サイトで公開されている作品の中から、今回はサドっ気をくすぐられるチョイスをしてみた。
ポストしたシリーズのタイトルは、1枚目が "Post Traumatic - So"、2枚目と3枚目が "Catanzaro - Tome 4"、4枚目が "Paris Axe 08"、5枚目が "Next Door"。

ANDY JULIA PHOTOGRAPHY

Andy Julia Exhibition Information - EXPOSITION"L'Art fantastique, visionnaire et symboliste" - @ Paris


Andy Julia から、2009年1月28日から009年2月12日にかけてパリのグランドアーミーにあるカルチャーセンター Atelier Z でグループ展が開催されるという連絡が届いていたのでご紹介。
フランス語なので内容をちゃんと把握できていないんだけど、28日はオープニングレセプションか何かがあって、29日から一般公開ってことなのかな?


EXPOSITION"L'Art fantastique, visionnaire et symboliste"

28 janvier au 12 février 2009, de 14 à 19H

Vernissage Jeudi 29 janvier à partir de 18H30
Vernissage (bis) samedi 31 janvier à partir de 18H30

Conférence sur ce thème mercredi 4 février 2009 à 20H,
avec débât participatif en présence des artistes
(cf. rubrique Actualités/Conférences).


ARTISTES:
Bruno Baratier - Sculpteur
Hugues Gillet - Peintre
Marc Halingre - Peintre
Brigitte Solberg - Graveur
Andy Julia - Photographe
Jean-Jacques Lamenthe Sculpteur
Hervé Sérane - Photographe
Christian Lepere - Peintre


Atelier Z - Centre Culturel Christiane Peugeot
62 av. de la Grande Armée, 75017 Paris
01.45.74.32.53
http://atelierz.reflechissons.net/site/i


グループ展に参加するアーティストの中から、女性の登場する作品のあるアーティスト数人について、個別のエントリを立てておくので、興味のある方はそちらもどうぞ。


ANDY JULIA PHOTOGRAPHY

Imogen




Imogen (イモージェン)
現在16歳の Imogen。
初めてカメラを手にしたのが2008年1月4日とのこと。
まだ1年しか経っていない。
好奇心が旺盛なようで、撮る写真もポートレートに始まり、静物、エクスペリメンタル、トラベリングフォト、動物、ドキュメンタリなど、スタイルを決めずにいろんなものにチャレンジしている。

Flickr: *Imogen's Photostream

Harry Holland





Harry Holland (ハリー・ホランド)
1941年スコットランド (Scotland) 南西部に位置する都市グラスゴー (Glasgow) 生まれの画家。
ロンドンにあるセント・マーチンズ・スクール・オブ・アート (St. Martin’s School of Art) で学んだ後、ウェールズ (Wales、Cymru、カムリ) の首都カーディフ (Cardiff、Caerdydd) を拠点に活動中。
女性のポートレートや裸婦画が中心。

もともとは複数の女性の裸をひとつの作品にまとめて描いたものを見かけてブクマしていたんだけど、去年辺りの作品から、それを発展させた、裸の女性たちが吹き飛ばされて宙を舞う幻想的な作品が登場。2008年のテーマだったらしく、そういったシチュエーションの作品が去年は幾つも描かれている。ポストした1、2、3枚目などがそれにあたり、タイトルは、"Crossover"、"Evening"、"Line"。
4枚目も同時期の作品で、こちらは海辺沿いを背景にした作品の中のひとつになり、"Steps" というタイトル。


MARTIN TINNEY GALLERY HARRY HOLLAND
Il Polittico Galleria d'arte - HOLLAND Harry
Albemarle Gallery - Harry Holland
Harry Holland on artnet
Mineta Contemporary - Harry Holland Artist of the Ideal lucie-Smith
Mineta Contemporary - Ganymede

Caleb O'Connor


Caleb O'Connor (ケイレブ・オコーナー)
ハワイ (Hawaii)で生まれ育ち、メリーランド・ インスティテュート、カレッジ・オブ・アート (Maryland Institute College of Art) で絵画を学ぶためボルチモア (Baltimore) へ引越す。
大学では、Israel Hershberg, Mark Karnes、Barry Nemett、Raul Middleman といった有名な教授の下で学生時代を過ごした。
最終学年を迎えた2001年、ワシントンD.C.にあるギャラリーで初の個展を開催。
卒業後はデラウェア美術大学 (Delaware College of Arts and Design) で教鞭をとりつつ世界各国から依頼された家族の肖像画を描く。
その後、イタリアへ留学し、帰国後は現在に至るまでシカゴを拠点に活動している。

ポストしたのは "Gateway" という作品。

Caleb O'Connor : Fine Artist : Sculpture, Portraits, Figurative & Landscape Painting
Caleb O'Connor

Monday, January 26, 2009

Michael Sokolis





Michael Sokolis (マイケル・ソコリス)
LA のベニス (Venice) 在住。
アーバンランドスケープペインターと自らを規定している。

Michael Sokolis は、

"the vast urban sprawl of Los Angeles contains its own unique brand of symbols and the visual impact of our diverse local scenery has had a profound effect on my ideas and on my painting."

つまり、自らが暮らす LA の広大なスプロール現象に含まれる都市自身のシンボルのユニークなブランド (自分で訳しておいて意味分かりません。多分誤訳) とさまざまな地域の風景の視覚的インパクトからは、作品を制作する上で大きな影響を受けたということらしい。
で、スプロール現象、つまりアーバンスプロール (urban sprawl) とは何かっていうと、都市が発展し拡大していく場合、普通郊外に向かって拡がってゆくのだけど、そのとき計画に沿わず無秩序な発展と拡大をする現象のこと。
日本で都市というと高層ビルが密集して立ち並ぶ過密した風景を思い浮かべるけど、 LA ってそういった印象がまったくなかった。確かにダウンタウンには高層ビル群があり、夜、そこに月かかったときはとてもきれいではあったのだけど、LA という都市については、のっぺりとだらしなく拡がっているといった印象ばかりで、ひと月近く滞在しても街の顔が鮮明に像を結ばないところがあったなぁ。
話はそれるけど、誰にだって出合いを憶えている言葉のひとつやふたつあるだろう。ボクにとってスプロールって言葉がそれに当たる。初めて接したのは、ウィリアム・ギブスンの 『ニューロマンサー』 を読んだときのことだった。

《スプロール》調の声。《スプロール》調の冗談だ。

都市の景観については、

"I used to see some of these same sights daily; they were part of my visual vocabulary."

「私は、毎日こういった同じ光景を見たものです、それらは私の視覚的語彙の一部でした。」 と語っているように、2005年頃までは絵の主題は都市そのものだったといっていいだろう。しかし、徐々に風景の一部であった、あるいはほとんど登場することのなかった人が前景へ現れてくる。ポストしたのはそういった変化後の作品の中から選んだ。
タイトルは、"Phoneline Tightrope"、"Neighborhood Nocturne"、"Billboard Balancing Act"、"Genuine"。
2枚目などは、Philip-Lorca diCorcia (フィリップ=ロルカ・デコルシア) についてのエントリで名前の出てきた Gregory Crewdson (グレゴリ-・クリュードソン) の作品が思い浮かぶ。

Education:
California State College at Long Beach

《参考》
traveling with the ghost: Gregory Crewdson

index
New Work
Klaudia Marr Gallery Santa Fe: Artists/Michael Sokolis
MICHAEL SOKOLIS - Contemporary Portraitist & Urban Landscape Painter

Denise Grünstein





Denise Grünstein (デニス・)
1950年フィンランドの首都ヘルシンキ (Helsinki) 生まれで、現在はスウェーデンのストックホルム在住のフォトグラファ。

Denise Grünstein の撮ったシリーズで人気があるのは、おそらく 『不思議の国のアリス』 をモチーフにしたシリーズだろう。それはいずれポストする予定なので、ここでは最初に見たときに、エドワード・ホッパーっぽいなと感じたものを中心にポストしてみたい。ホッパーっぽい作品の孤独感がお気に入り。でも、そう思った作品を見返してみると、そうでもないかなって気がしてきた。どう思います?


Denise Grünstein : Editorial : CameraLink
Gallery Charlotte Lund - Artist: Denise Grünstein
Denise Grünstein - 59 buketter

Philip-Lorca diCorcia from W Magazine





W Magazine で発表している作品は、01と02でポストした作品とは趣が違っているように思われるので、こちらも別のエントリを立てておきたい。

スタジオボイスの恒例の特集 「写真集の現在」 の2008年版でも写真集が取り上げられていた。そこに付されている日高優のコメントは、

デイコルシアの緻密に演出された都市のストリート・シーンは、ホッパーやワイエスの絵画に通じる空っぽで孤独なアメリカン・シーンとも共鳴する、アメリカの自画像だ。クリュードソンと共に、その演出写真は1960年代末から興隆した「撮る」のではなく「創る」コンストラクティッド・フォトグラフィの系譜に連なるものと見ることも出来る。そのフィクショナルなドキュメンタリー形式こそが、現在の生のリアリティを生み出している。

といったものである。

冒頭にも書いたように、このエントリでポストするのは W Magazine で発表された作品の中から選んだもの。発表する媒体が W Magazine というファッション/カルチャ誌であることから、それ以外の作品に比べドキュメンタリを装う感じがそれ程強く感じられない。それとも、虚構性が前面に出ていると言った方がいいのかな。モデルたちの多くは書き割りじみた不自然な佇まいは、先にポストした作品にはなかったものといっていいだろう。"Pole Dancer" は例外だけど。
また、上で引用した文にもある様に、作品によってはエドワード・ホッパー (Edward Hopper) を想起する作品もある。というより、ポストした作品の2枚目や3枚目などはあからさまにホッパーを下敷きにしている。もう一人名前の出ていたのはアンドリュー・ワイエス (Andrew Wyeth) だけど、ワイエスを下敷きにしたのが明らかな作品もよく見たらあるのかもしれないが、ぱっと見では見付からなかった。

Leslie Simitch Limited